弁護士は何をしているのか(1)

 弁護士はサービス業である。法的サービスを提供する。

 弁護士の歴史は古く、12、3世紀のヨーロッパから始まる。サービスの提供の仕方は特殊だ。依頼者(個人のほか企業等の団体を含む)と1対1の関係性の中で、そのサービスを提供する。これが原型である。そして、まず社会が弁護士を公共の奉仕者として認めて特別な地位を与え、国もこれに続いたのである。

 弁護士はサービス業である。

 依頼者は自分の抱える問題を、例えば他者との紛争について、弁護士に持ち込む。解決したい。いい方法を訊きたい。ここから弁護士と依頼者の関係が始まる。

 弁護士はその紛争をとりまく事実関係を調査して分析し、診断し、解決への方法、すなわち戦略を提示する。依頼者はそれをもとに自ら解決する。場合によっては、弁護士を代理人として紛争相手と交渉し、あるいは訴える。途中で和解もする。この間、依頼者と弁護士の共同作業は続く。数カ月、あるいは数年。弁護士は依頼者との関係性を好ましいものとし、維持しなければならない。

 どうしたらよいのか。できる弁護士を観察すればよい。彼らの行動、そして人柄は次の4点に集約できる。

 1.できる弁護士は結果を出す。

 依頼者にとって結果が全てなのだ。できる弁護士はそのことを知っている。弁護士は、結果に至るプロセスについて依頼者に知ってほしい。そしてその中での努力を評価してほしい。しかし、依頼者の気持ちはそこにはないのだ。

 2.できる弁護士は迅速に行動し、コスト意識が高い。

 依頼者はまだかまだかと考える。そしてコストを気に掛ける。できる弁護士はそれを知っている。だからモタモタしない。依頼者が背負うコストについても敏感だ。

 3.できる弁護士は依頼者の心配やいらだちを静める。

 結果を待つ長い時間、依頼者は心配し、いらだつ。弁護士を前にすると平気を装うが、そうでないことをできる弁護士は知っている。できる弁護士は依頼者の気持ちに寄り添い心配やいらだちを静める。

 4.できる弁護士は、思いやりがあり、魅力的で人間性にあふれている。会いたい、話したい、共に仕事をしたいと依頼者に思わせる何かかを、できる弁護士はもっている。

 できる弁護士の究極の姿がここにある。そういう弁護士像を自ら作り上げたというべきか。

 

 できる弁護士はこのようにして依頼者の信頼を手に入れ、そしてその信頼を維持するのである。

(小 山 齊)